「あ……キラ!……さん」

食パンをくわえて、なんてベタな登場はしなかったけれど、
家から駆け出したシンは見事にキラと出くわした。

「ぁ……シン……君も……遅刻?」

息をきらすキラはいつもと変わらない。

けれど自分が見た夢のせいでうまくキラの瞳を見ることができない。

「ぅ……ぁ……ぁ」
「シン?」

どうしたの?と覗きこまれて、シンの胸がドキリと鳴る。

「うわぁぁっ!!」

近くに寄られたついでに第一ボタンの外された隙間から例のものが見えそうで、
シンは慌てて眼をそらす。
そうすればキラはもっと不思議がって、シンにがしりとしがみついた。

「なんだよぉ!人の顔見て悲鳴あげるなんて失礼!」
「いや……あの……」

しどろもどろになりながら必死に逃げようとすれば、
「逃がさない」と言わんばかりに尚抱き着かれた。

こんなところをアスランに見られたら大変だ。(遅刻時間だからいないだろうが)
ただでさえキラにキスしたろことを目撃されているのだ。



「あ!そうだシン!」



逃げ出せない状況に泣きそうになっていたシンの耳元にキラの高い声が響く。



「ちょ……急に大きい声は反則……」



「はい!お誕生日おめでとう!」



キラの小さな手のひらにのっていたのは水色のリボンと包装紙で小さな箱。



「あ……」
「今日誕生日だよね!おめでとう!」

そう言ってニッコリ笑うキラはとびきり可愛くて。













「アスランと一緒に選んだの!」







なんて真実を聞かなければきっと押し倒していただろう。







そして。



アスランのガードの固さを改めて認識するシンなのであった。








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拍手お礼文のシンキラな関係で・・・シン誕遅くなってしまったorz
おめでとうシン!