「キラ、絶対ワザとだろ」
アスランの部屋に入るなり冷たい視線を向けられて、キラは慌てて首をふる。
課題一式を故意に忘れたことをアスランに詰め寄られ、心臓がドキドキとなってしまう。
「ち、ちがうよ!ほんとに忘れちゃって……」
「そう?なら俺のテキスト貸すよ」
「え!?」
露骨に嫌だと顔に表してしまい、アスランは例の如くため息をついた。
「キーラ」
「だって……」
「だってじゃないだろ?俺はお前のためを思って……」
語りだしたアスランにキラはしまったと思う。
こうなったアスランのお小言は長いのだ。
課題をやったほうがマシだと思えるほどに。
この説教地獄に入り込む前に、なんとか話題をかえなくてはと、キラはパンと両手をたたいた。
「そうだアスラン!ほしいものって何?」
「え?」
あまりにも唐突すぎる質問にアスランはポカンと口を開けた。
問いかけた本人であるキラも、聞いたところで何も買えないし、聞いた分だけ落ち込んでしまう質問に後悔を覚えた。
「ほしいもの……?」
「え……いや……あの……」
説教からずれてくれたのはいいけれど、そんなに真剣に考えられても困る。
どうせ、あげられないのだ。
それが悲しくて下を向いたキラだったけれど、アスランからふってきたのは予想にもしない言葉だった。
「ほしいものはないけど……知りたいことはあるよ。それでもいい?」
見上げるとアスランは真面目な顔でキラを見つめていた。
「知りたい……こと?ほしいものはないの?」
「うん」
アスランの言葉に少しだけ安堵を覚えてしまう自分が憎い。
けれど、知りたいことならキラも協力できるかもしれない。
キラの計画としては(実行には移せなかったものの)びっくりするようなものを買って彼を喜ばせたかったのだけれど、
今更ながらにこうやって聞いてみるのも良い方法に思えた。
「え……なにが知りたいの?」
アスランに近付くと、ぴくりと揺れた気がした。
「怒らない?」
「え?怒らないよ」
キラの言葉と同時に、身体は重みを感じた。
背中には柔らかいカーペットの感触。
視線の先にはアスランがいて、髪の先がキラに向かって零れ落ちていた。
「あす……らん?」
「キラのこと、知りたいんだけど。嫌?」
ああ、アスランが僕の上に乗っかっているんだ、と認識したあとキラは首を横にふった。
「嫌じゃないよ?」
するとアスランは目を見開いた。
自分で聞いたのに、なんでそんな顔をするのだろうとキラは首を傾げる。
「嫌じゃないの?」
「え、だってアスランは知りたいんでしょ?」
アスランがキラの何を知りたいのかよくわからなかったものの、
キラでなにかアスランの欲しいものが解決できるなら率先して協力したい。
だからきょとんとした瞳で見つめたら、普段は白い肌をした美形な彼は、頬をほんのり紅く染めた。
「本当に、いい?」
「うん」
しつこく尋ねるアスランに、キラはまた頷く。
何をそんなにこだわっているのか考えていたら、唇にふわりとしたものを感じた
。
「ふぁっ」
それがアスランの唇だと理解するのに時間はかからなかった。
あたたかい舌がキラの唇を優しくくすぐる。
「あすっ……」
時々離れる唇の隙間から必死に声をだすと、アスランの翡翠がキラの菫を覗き込
む。
「やっぱり……嫌?」
不安そうにアスランが尋ねるから、キラはアスランの首に腕を伸ばしてぎゅうと抱きしめた。
「嫌じゃないってば」
ただ少し息苦しかっただけで。
アスランは安心したのか、一瞬だけためらった後、再び唇を重ねてきた。
「キラ、少しだけ口開けてくれる?」
言われた通りにすると、ぬるりとしたものが入り込んでキラの舌をつついた。
びっくりして舌をひっこめると、それは追い掛けるように絡み付いてきた。
「ん……んんっ」
最初は気持ちが悪かったけれど、慣れれば以外と平気だ。
だからキラも舌を動かすと、とろりと口から雫が零れた。
「ふ……ぁ」
アスランの顔が離れてよく見えた。
アスランの顔が紅潮しているくらいだから、キラはもっと赤いのかもしれない。
「きもちよかった……?」
アスランの問いかけに、キラはよくわからないと返す。
「そっか……」
「なんかね、ふわふわするの」
息継ぎをしながら答えるとアスランは何故か嬉しそうに笑った。
「それが気持ちいいってことじゃないの?」
「そうかなぁ?」
うーんと唸るキラをよそに、アスランはキラのキャミソールの中に手を忍ばせた。
「ぁっ……アスラン……変なとこさわっちゃ……」
アスランが触れてきたのは、かすか丸みを帯びた胸の先端で。
薄く色づいたそこを、アスランの指先は優しく摘んだ。
「ふぁぁっ……ゃ……」
「こっちのが気持ちいい?」
「わかん……ない」
アスランはキャミソールの裾をぺろりとめくりあげる。
そうすれば、キラの小さな二つの丸みは外気に曝された。
「キラ……先っぽ……かたくなってるよ?」
少しだけ強くつままれてキラの腰は跳ねたけれど、アスランの身体が上から押し付けてくるから動くことはかなわない。
「あすっ……」
アスランが触れていたのは片方だけだったけれど、今度は反対側を生暖かいものが這ってキラから掠れた声が漏れる。
「きゃ……あすらっ…」
ちゅうと音をたてられたそこにアスランの蒼い頭が見えた。
「どう?」
「どう……って」
アスランが話すと歯が敏感な場所に当たって身体がふるりと震えてしまう。
アスランがそれをどう思ったのかわからないけれど、今よりもずっと強くそこを
吸い上げられた。
「きゃ……ゃんっ」
そのあまりにも強すぎる刺激に、キラはアスランの頭を抱きしめた。
「キラ……苦しい」
「だって……」
お仕置きと言わんばかりに先端をかじられて、キラは頭を抱く腕に力を込める。
すると余程息苦しかったのだろうか、アスランはキラの腕をやんわりと解いた。
「苦しいよ」
「あ……ごめん……でも……」
アスランの顔が埋められていたそこは、彼の唾液で濡れていた。
それが何故か恥ずかしくて、キラは先ほどとは違う意味で頬を紅く染めた。
「どうしたの、キラ」
「……なんでもない」
本当はなんでもないことないのだけれど、口にするのは気恥ずかしい。
「そう?」
「うん……」
俯いてはみたものの、仰向けに寝ているわけだから、嫌でもアスランが視界にはいってしまう。
自分はこんなに恥ずかしいのにアスランはどうしてこんな平然としているのだろうと思うともっと頬が火照った。
「キラの胸……小さいね」
「え……ひゃんっ」
アスランの手の平がキラの丸みを優しく包む。
その感触を楽しむかのようにアスランはキラの胸を揉みしだく。
「アスラ……は……」
「え?」
「おっきい……ほう……が……いいの?」
初めての感覚に流されそうになりながらも必死に言葉を紡ぐキラにアスランは瞳を瞬かせた。
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