「悪いねぇ、キラ。すっかりキレイになったよ」

ユウナはキラに愛撫の手を止めるよう指示すると、噎返って涙の滲む瞼に唇を落とした。
キラはユウナに気付かれないよう、そっと汚れた口許を拭う。
ユウナさえ目の前にいなければ、喉の奥まで落とされたユウナの精を今すぐに吐き出してしまいたかった。
けれど今のキラにはそれさえも許されない。
屈辱に思考が儚くなるキラを、ユウナはさらに追い詰めようとしていた。

「キラァ。ボク満足出来なかったよ」
「えっ?だって……そんな」
「キミが煽るからいけないんだろォ」

再び反り返った雄をキラのせいにして、ユウナはそれをキラに見せつけた。

「今度は自主的にやってヨ」
「そんなっ……」
「ボクと結婚するって、態度で示せよ」

ユウナの口調が変わった。
いつものように、甘やかす音は一切なかった。

「なにを……すれば……」
「そうだねぇ……手と、その可愛い口でコレを大きくして」

これ以上どうしろというのだろう。
キラは唇を噛み締めながら起き上がると、脚を開いてキラを待つユウナの元に跪いた。
そそり立った性器に顔を近付けて、その蒸し暑さに咳込みそうになる。
ちゅ……と音をさせてキラはユウナの先端に唇を添えた。
舐め取ったばかりのはずなのに、早くも鈴口からは先走りの液が零れていた。

「んっ……」

巨大な肉を飲み込み、喉で摩擦しながら吐き出す。
それを繰り返すと、ユウナの性器は震えながら質量を増していく。
一旦すべてを吐き出すと、透明な糸が張って、ぷつんと切れる。
キラはそれを昏い瞳で見ながらユウナの性器を指で支えて、横からそっと食んだ。
上から下に移動すると、硬い陰毛がキラの繊細な肌にちくちくと当たる。


「特別上手ではないけど、まあまあだよ。残さずにちゃんと舐めるんだよ?」

滴り落ちる液体をキラの舌は受け止めて、嚥下する。
その度に鳴り響く音に耳を塞ぎたくなった。


「そろそろいいよ」
「ぇっ……でも」

愛撫の強要から解放される喜びと同時に、ユウナがまだ達していないことに戸惑いを覚えて、キラは疑問の声を口にした。

「なぁに、まだボクのをしゃぶりたいのかい?やっぱりキラは淫乱なんだねぇ」
「ちがっ…」

違う、と否定したところでこの男は聞きもしないのだろう。

「今度は四つん這いになって」

キラは黙ってユウナの言う通りに身体を傾けた。
すると、下部を覆うスカートの中に熱いものを感じて、キラの身体に戦慄が走る。

「なっ…」

下着越しに陰部を刺激していたのはユウナの舌だった。
淫らに蠢く舌が、多量の唾液をともなってキラの陰部を外側から濡らしていく。

「やめてっ……」

前に這いずろうとすると足首を掴まれて、脚の付け根に生暖かい吐息を感じる。
その瞬間、下着の中に潜り込んだ舌にキラの身体は硬直した。
中の肉の花をほぐすように、軟体動物のような舌は気味の悪い動きを繰り返す。
嫌悪に身を震わせながらも、キラの花弁からは蜜が滲み始めていた。

「ゃっ……やめてっ……いやだっ…」
「うるさいなぁ。ちょっと気が変わったんだ。最後までやろうね」

ユウナは顔を陰部から遠ざけて、キラの恐怖に怯える顔を覗きこむ。
その表情はどこか楽しげだった。

「避妊はしてあげるよ。ウェディングドレスのサイズ直しなんて面倒だろう?」
「ぃやぁっ……」

キラは腰を抱えあげられて、陰部を覆うレースの下着を剥ぎ取られた。
むきだしになった臀部をまさぐるように撫でながら、ユウナは再びキラの肉に舌を埋めた。
内部にねっとりと舌を這わされて、キラは震えを抑えるのに必死だった。

「ぅっ……」
「すごい熱いよ……」

ユウナは感嘆の声を漏らしながら自身の雄を掴んで、舌で弄んだ花弁の入口にぐっと押しつけた。

「やだぁっ……アスランっ……あすらぁんっ!」

キラは縋るようにシーツを握り締めながら、逃げようと必死に前進もうとする。
けれど腰を掴むユウナの力は、キラのものとは桁違いだった。

「他の男の名前を出すなんて……不愉快だなぁ」

それは死刑執行の合図のようで、瞬間にキラの身体にはユウナの猛る肉棒が突き刺さった。

「ひっ……ぐぅっ…」

ギシギシとベッドが軋むほどに、ユウナはキラの身体を揺さぶる。
奥まで犯してからぎりぎりまで引いて、再び体重をかけて、より深みまで嬲る。
激しい抽挿を繰り返される度にキラからは荒い吐息と嬌声が漏れたけれど、それは決して快感によるものではなかった。
それでも、陰部から蜜を零し、ユウナを受け入れる身体が憎らしく、そして悔しくてキラは唇を噛み締めた。

「あっ……避妊するの忘れちゃったよぉ」

キラの快楽を気にすることもなく、肉の中に精を迸った男は呑気にそう言った。
後ろからまだ貫かれて、男の肉が震えるのが分かった。
放たれた白濁も内部にこびりついているのだろう。
女性器の反応で、キラの雄も勃ちあがっていたけれど、ユウナはそれを弾くだけで愛撫をくわえようとはしなかった。




「アスラン……だっけ?あの男もモノズキだよなぁ。男としての部分しか持って
ないキミを抱けたんだから」


アスランへの侮辱に、言い返したいのにその体力も奪われていた。
ぼんやりと甘い感覚がキラに押し寄せる。

貴方に何がわかるんだ

そう口にできたか分からないまま、キラは眠りに堕ちていた。



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