「あすらぁん……僕、寒いよぉ……」


柔らかそうな白い太股がほとんど見えてしまう短いデニムのパンツを履いた少年は、
その剥き出しになった脚をくねらせながら身震いしていた。
少年の亜麻色の髪が、小刻みに震える身体にあわせて揺れ、
特徴的な紫色の大きな瞳は心なしか涙で歪んでいるように見えて 、
幼いながらも艶めいたその姿にイザークはゴクリと唾を呑んだ。

「寒いの、キラ?」

キラ、と呼ばれた亜麻色の髪の少年は、彼よりもワントーン低い声の持ち主が腕を広げてやると、
嬉しそうに顔を綻ばせながらその中に飛び込んだ。

「あったかぃ……」
「そう?」
「うん!それに……いい匂い……」

「キラ」が飛び込んだ先は、キラの端麗な容姿に目を奪われている「イザーク」ではなく
イザークのクラスメイト、そして好敵手である「アスラン」の腕のなかだ。
生徒のほとんどが帰宅した薄暗い教室に残されているのは、イザークとアスラン、そしてキラだった。
キラ、は今日付けでイザークとアスランのいる幼年学校に入学してきた所謂新入りで、
なのに何故かキラはアスランと親しそうにしているので疑問に思って二人の様子を観察していたら、
こんな時間になってしまったのだ。
先ほどからイザークの存在を無視するかのように繰り広げられているアスランとキラ二人きりの世界に、
元来短気なイザークが痺れを切らさないはずがなくて、
気がつけば無視されていることへの苛立ちから肩を震わせていた。
そんなイザークをまるで今気がついたような素振りでアスランがチラリと見やった。

「あれ、どうしたのイザーク」
「どうしたのだとォ!?」

人を小馬鹿にしたような、今にはじまったわけではないけれど、
そんな物言いにイザークの頭には血が上っていく。
けれどアスランはそんなことお構いなしに、椅子に座った状態のままキラの細い身体を抱き締め、
よく見ればキラの丸い臀部を鷲掴みしていた。

「俺さ、キラと遊びたいんだよね」
「遊ぶだと……?こんな時間にか」
「ああ。だからイザークがいると邪魔かなって」

物腰は柔らかいくせに、言うことは相変わらずなアスランに対して生来の負けん気が頭を擡げてしまい、
帰るに帰れなくなる。

「生憎俺も用があるんだっ!」

ふんっ、と勇んで椅子をひいてドカリと座り込むとアスランは軽く眉根を寄せた。

「イザーク……帰らないの?」
「帰らないと言っているだろう!」
「そう……」

アスランは露骨に溜め息をつくと、キラの身体をイザークの方に向かせるように膝の上に座らせた。

「じゃあイザーク、見てく?」
「は…?」

アスランはそう言うなり、キラの短パンを膝あたりまで下ろした。

「ゃっ……あすらぁ……」
「イザークが見たいんだって。キラの恥ずかしい所見せてあげてくれる?」
「ぇ……ゃだよぉっ…」

か細く抵抗の声を漏らしながらも、アスランの絶対的な声色に勝てないのかキラは俯いてしまった。
デニムが覆っていたその場所には、白いブリーフパンツが頼りなさげにあるだけだった。
アスランはそれさえも無情にはぎ取ると、こぼれるようにキラの小さな桜色の性器が姿をあらわした。

「なっ……アスランッ!?貴様何をっ……」
「何って……イザークも見るんだろ?」

キラのイクところ

アスランの言葉にイザークは目を見開いた。
知らないうちに握り締めた手の平は汗ばんでいた。

「お前……」
「何だよさっきから?」

アスランは何ごともないように、キラの淡い性器を摘む。

するとキラの身体はぴくんと跳ねて、頬が赤味を帯びる。

「キラ、痛いのとくすぐったいのどっちがいい?」

アスランの声は聞いたこともないくらいに優しいもので、
キラはイザークの視線を気にしながらも「くすぐったいの」と小さく答えた。

「あ、でも昨日くすぐったいのやったから、今日は痛いのにしようよ」
「え……でも…」
「嫌なの?」

アスランの声は支配者のもので、キラは泣きそうになりながらも頭を横にふった。

「大丈夫だよ。気持ちよくしてあげるから。気持ちいいのはキラも好きだろ?」
「ぅん…」

アスランはキラの性器の先端を長い指で挟むと、傍目にも分かるほどそれを強く潰した。

「ぁうっ!」

漏れたキラの悲痛な声に、イザークはハッとなった。
その場所に対する痛みは男であれば皆共通なので、
イザークはキラの痛みを想像してアスランを止めようとした。

「おっ、おい!やめろ!」
「どうして?」
「どうしてもなにも……嫌がってるじゃないか!」
「嫌がってる?よく見てよイザーク」

アスランは不快なほどにクスクスと笑うと、キラの雄を指差した。
そこは、確かに色付いて上を向き始めていた。

「キラは喜んでるから大丈夫だよ、ね、キラ?」
「ん……」

俯きながら、どこまでも恥ずかしそうにキラは頷いた。
なら、イザークに止める権利はない。

「そうだ、イザーク!手伝わない?」
「は?」

突然の勧誘。
それは秘密の遊戯の始まりだった。

next